Ver1.2 Last Up Date:10.07.11

建物のボリュームチェック・建築家のテクニック

敷地を一目見ただけでどんな建物が建てることが出来るか簡単にイメージする事はできません。
それは建蔽率や容積率等の法的制限で建物の大きさは変る事と、様々な緩和措置や配置計画、高さ、構造などによっても全く異なる建物となるからです。
この項では簡単なボリュームチェックの方法やテクニックを紹介します。
※現在コンテンツ作成中の為、ここに記載があるものが全てではありません。予めご了承下さい。

基本中の基本・建蔽率と容積率

まず、ボリュームチェックの基本となるのが建蔽率と容積率。
敷地に対してどれだけの建物を建てることが出来るかという指標です。
建蔽率50%容積率100%の敷地例
例えば建蔽率50%容積率100%で100㎡の土地であれあれば建築面積50㎡、延べ床面積100㎡までの建物が建設可能(条件によってはフルボリュームで建てられない場合もあり)だという事が解ります。
もう少し、突っ込んで考えてみると建蔽率の二倍が容積率となっているので、総二階(上下階が同じ大きさの建物)でなければ容積率いっぱいの(フルボリュームの)建物を建てる事が難しいという事。
吹き抜け等の空間を造りづらい敷地だという事が解るのです。
建蔽率が10%UPする角地緩和
建蔽率には角地緩和(一定条件を満たした道路に挟まれた土地)や防火地域(建蔽率80%の防火地域に耐火建築を建てる等)の緩和措置があります。
角地緩和の場合の建築例
仮に先ほどの敷地ですと、建蔽率60%容積率100%ととなり建蔽率側に余裕が出てくるため、上の図のように吹き抜けやルーフバルコニーを設ける余裕が出た事が解ります。
建蔽率60%容積率200%の敷地例
住居系の用途地域(第一種低層住居専用地域など)で前面道路が狭い場合は容積率が制限を受ける場合があります。
例えば建蔽率60%容積率200%の敷地でも前面道路が4mの場合は容積率が160%ととなり、三階建てを建てられる敷地でも20%分の余裕が生まれる事があります。
半地下住居の例
狭小地で敷地面積が充分でない場合は地下に居室を作る事も有効的です。
地下扱い部分は容積率や建蔽率からは除外される為、ボリュームを稼ぐ事が出来ます。
地下室の工事は割高になりますが、地価の高い都心や地盤の良い地域ではメリットがあります。

このように同じ大きさの土地でも建蔽率と容積率の比率で有効な建物の建て方が変ってきます。
都心では土地の価格も重要な要素です。
無駄のない大きさの敷地に満足いく大きさのボリュームを新築する。
大は小を兼ねるといいますが、建築の場合は必ずしもそうではありません。
全体の限られた予算の中で敷地にお金を掛けるのか?それとも建物に資金を投じるか?そのバランスが重要です。
その目安を建蔽率と容積率から判断する事になります。

もちろん広い敷地に建蔽率や容積率を余らせて建てられる場合はあまり関係のない指標ですが、都心で新築する場合はとても重要になります。

図と地の関係・建蔽率と庭・駐車場・アプローチについて

建蔽率40% 残りの庭の比率は60%
建蔽率とは建物を建てられる範囲を定めたものですが、逆に残りの%は庭や駐車場、アプローチに割り当てられる部分になります。
建物の内部と外部との関係を密に取りたい場合は建蔽率40~60%の敷地が良いでしょう。
建物が建てられない部分を無駄と考えるのではなく、外部を取り込み庭と一体感のある建物を建てる事で有効活用する。
また、庭の場所をイメージして残りの部分に部屋を配するといった発想でプランニングする等、地の部分に注目する事で建物以外の部分が活き活きとした計画が作る事が出来るのです。

また、建蔽率の低い敷地は周辺環境も良好で、周囲の建物も庭の部分を残して建てられる為、通風や採光の取り易い土地だと言う事が出来ます。

隣の駐車場・生産緑地・空き地

土地選びの際に気をつけたいのが、隣地にある駐車場などの空き地をメリットと考えない事。
建物の建っていない空き地ほどその後どんな建物が建つか予想できないのです。
もしかしたら複数の土地が合体して大きなビルが立ってしまうかも知れないし、庭の採光を遮るような形で3階建ての住宅が建つかもしれません。
また、用途地域等によっては夜もうるさい飲食店が出来てしまったり想定外の建物が建つことがあります。
ですから、そういった空き地がある場合には隣にどんな建物が建ち得るかもシュミレーションしたいところです。
それは生産緑地でも同じ事。
生産緑地の更新年を確認する事はもちろん、今後キチンと畑として利用される予測がつくか?などいろいろ下調べをする事も必要です。
相続と同時に建売住宅地に生まれ変わるなんて事はよくある事です。過信は禁物です。

道路斜線(北側斜線・隣地斜線)を緩和する天空率という裏技

よく街中で見かける三角に切り取られた建物。
そのほとんどが道路斜線という斜線制限によって制約を受け整形の建物を建てられなかったものです。
道路斜線とは道路から一定の勾配(1:1.25or1:1.5)で線を引きその線を越えて建物を建てないようにする決まりです。
道が真っ暗ではとても陰気で魅力的な街になりませんよね。
その為、道路に一定の光が落ちるように制約を設けているのです。

その道路斜線制限も様々な緩和策があるのですが・・・
その中でも私が最も有効と考えるのは「天空率」を使った緩和措置です。

天空率解説図・平面図天空率開設図・立面図
図の薄紫色の「道路斜線適合建物」と比べ細く建てる事で、道路斜線に飛び出して建てる事も可能となる天空率。
複雑な形で建てざるを得なかった建物をシンプルな建物として建てることで、建築費を抑えたり、床面積を多く取る事も可能となるのです。
適合建物の天空率計画建物の天空率天空率の説明図
天空率とは敷地とは反対側の道路に人が立ったときにどれだけ空が見えるかという指標です。
道路斜線をクリアした建物に比べ、計画建物の方が空が多く見えれば、斜線を超えても良い事になります。
左の図は道路斜線適合建物の天空図。中央が計画建物の天空図で計画建物の方が空が多く見えています。
右の図はその二つの天空図を重ねたもの。建物の巾を狭めた分高さに上乗せ出来る事が視覚的に解るかと思います。

天空率は細かい計算(検討)をしなければならないので、何メートル空地を空ければクリアできるとか、簡単にチェックする方法は有りません。※1
チェックが難しい代わりにそれだけのメリットがある検討方法です。
敷地のポテンシャルを最大限活かす建築家の裏技。
狭小地における都市型住宅において利用しない手はありません。

※1:専用のソフトを利用して簡易的にはじき出す事も出来ますが、戸建住宅では一般的ではありません。

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