建築家の自邸・AkatukiHouse~子育てを考えた隣居二世帯住宅

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建築家の自邸・AkatukiHouse~子育てを考えた隣居二世帯住宅

建築概要

東京都荒川区に建つ建築家の自邸
北欧モダンの佇まいで子育てを愉しむ家事楽な住まいです

諸データ

建設地: 東京都荒川区
工事種別: 新築
敷地面積: 112.73㎡
1.st: 46.29㎡
2.nd: 53.12㎡
内テラス3.98㎡
Total: 99.41㎡
内テラス3.98㎡
建蔽率: 47.12%<80%
容積率: 89.19%<240%
用途地域: 商業・準工業
構造: 木造SE工法2階建
断熱: 外張り断熱工法
+充填断熱工法
防火: 準耐火構造
その他: 蓄熱式床暖房
住宅用スプリンクラー
受賞: 東京ガス主催住まいの環境デザインアワード受賞
建設費: 3000万円台
(機器等全て含む)
施工: 株式会社参創ハウテック

一階平面図

AkatukiHouse一階平面図

二階平面図

AkatukiHouse二階平面図

AkatukiHouse関連写真

Akatukihouse外構
→AkatukiHouse全体計画へ

和モダンなリビング
→AkatukiHouse親世帯写真へ

Portfolio / 竣工写真ピックアップ

 

Concept / コンセプト

建築家の自邸であるAkatuki House子世帯の竣工写真です。
北欧モダンのインテリアを重視した住宅で、子育てを考えた様々な仕掛けを随所に盛り込んで、子育てを手助けする使い勝手の良い家が出来ました。
家事楽なアイデアや蓄熱式床暖房の導入など建築家として実験的な設備や機能の検証を行っています。
隣に建つ14階建ての分譲マンションの視線をどのようにかわすか?
また、親世帯との関係性を考えながら、都会の喧騒を感じさせない落ち着いた住まいを目指しました。

Idea&Detail / 家造りのアイデア・設計のポイント

見通しの効くプランニング

[su_row][su_column size=”2/3″ center=”no” class=””]Akatukihouse子世帯[/su_column]
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防火地域に建つこの建物は100㎡を超えてしまうと耐火建築物としなければならない。

その為、延べ床面積を99㎡に抑えているのですが面積的な狭さをカバーするテクニックとして視線の抜けをデザインしています。

これはなかなか素人の方が図面を見ただけではなかなか伝わらないポイントです。
模型を作っても理解してもらえないことも多いのですが、建築後にやはり建築家に設計して良かったなと思っていただけるのがココです。

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おかえり玄関 / 子育てを愉しむアイデア

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リビングと一体の”おかえり玄関”は笑顔のチェックポイント。
必ず立ち止まる玄関がリビングと一体化している為、子供の心境を確認しやすい仕組み。

Akatukihouseディテール

また、コートクロゼットをリビング脇に設けることで家族が触れ合う時間を半ば強制的に創り出すようにしています。
言葉で書くとものすごくおせっかいな設計の様に感じるかもしれませんが、それをごく自然な形で行うのがポイントだと思っています。

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家族の共有ライブラリー / 知と趣味の共有で絆を育むアイデア

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廊下に面したライブラリーは家族と趣味や知識を共有することで家族の絆を育むアイデア。
この住宅では子供室の前の廊下に面して設けています。

今は夫婦の趣味のもの、特に私の旅行関連書籍や建築書籍、家族のアルバムなどが納められています。

子供が成長するにつれて次第に子供の趣味の物に置き換えられていく予定で、その過程では夫婦が昔読んだ小説などを自然に手に取ってみてもらいたいという思惑があります。

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父の背中を見て育つ書斎コーナー

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Akatukihouse子世帯

※タブで写真を切り替える事が出来ます
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[su_tab title=”書斎2″ disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]
Akatukihouse子世帯
※タブで写真を切り替える事が出来ます[/su_tab][/su_tabs]

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リビングの一角にある私の作業スペース
人によってそれぞれ好みがあると思いますが今回はリビングの脇に造り付けました。
文字通り父の背中を見て育つ書斎
子供が保育園や学校から帰ってくると仕事にならなくなるが、まぁそれも生活の一部だと思っている。
仕事の効率よりも家族との距離を重視した間取りで満足しています。
もちろん、子供が寝てからまた仕事を再開するのですけどね(笑)

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無駄なく使えるパントリー / 家事楽な工夫・収納術

Akatukihouseディテール Akatukihouseディテール
キッチン脇のパントリーコーナーは階段下を一部利用しているため奥行きが深い。
使い辛さをカバーするために前と後ろに収納を別けて、可動収納とする事で使いやすくしています。
子育て期は特に身近に収納が欲しいのでとても重宝しました。
このように適材適所の収納が家事楽の家の設計ポイントです。

コンパクトにまとまった洗濯室 / 家事楽な工夫

洗濯物置き場、洗濯機置き場、仮置き・たたみ台、仮掛けスペース、理念収納、掃除用具入れと全てひとまとめになった作り付け収納。
また、浴室とテラスの物干し場にも近いレイアウトなので導線も短くコンパクトで使いやすい。
洗面所写真

インテリアと調和した住まい

インテリアと調和した住まい北欧風の洗面台設計段階から家具選びを行い、図面に反映しました。
北欧アンティークの家具を多く取り入れているので家具屋さんに買い付け段階から相談し、サイズやデザインなどを調整しています。
造り付け収納の部分と違和感が生じないように素材や色を統一してインテリアと調和した住まいを目指しました。

造り付けの洗面台は北欧風の丸脚をつけてアンティーク家具に似せてみました。
浮いた足元は体重計などをしまうのに便利なのと、子供の踏み台などの収納にも適しています。

 

建築家の自邸の設計を振り返って

早いものでこの記事を書いている時点で竣工から約8年が経ちました。
よくお客様から聞かれるのが「ああすればよかった?」という後悔はないかという質問。
いつもその質問を受けると少し悩んでしまうくらい私はこの家に満足しています。
細かい点でいうならば、設計当初予算であきらめたLOW-Eのペアガラスは導入したかったですね。
それと、当初予定していなかった猫を飼い始めた事で、もう少し配慮をしとくと面白かったなと思っています。

デザインや間取りの事を考え出すときりがないかもしれませんが、
何よりも子育て期をこの家で迎えられた事は最大のメリット
で、具体的な数値や事例として出せるわけではないですが、私たち夫婦が願う子育てが実現できている事はとても大切なことだと思います。

私は海外旅行が大好きで、旅先では様々なインスピレーションを受けて帰ってきます。
「モノより思い出」というキャッチフレーズの自動車のCM(日産セレナ)がありましたが、私が子育ての中で子供に届けたいものはまさにソレですね。

もちろん、いっぱい旅に連れていければよいのですが、それがかなわないので一番長く生活する家の環境はとても大切だと思っています。
そんな気持ちを込めた家が、子供に影響を与えているかはまだまだわかりません(笑)
ガラス張りの浴室
一つだけ、設計時にはあまり考えていなかったけれどとても良かったことがあります。
それはガラス張りの浴室。
「家事楽」とは真逆の掃除が大変な浴室ですが、私がどうしてもかっこよく&広く明るい洗面所にしたくて採用したのですが・・・
実際生活してみると、とても子育てには有効なアイテムだと感じています。
赤ちゃん時の沐浴には外からも声かけや確認ができるのと、お風呂に入っている家族と顔を洗ったり、歯磨きしながら自然に会話ができることです。

子供の宿題の教科書をガラスの外に立てて音読を行ったり、IpadでTV利用したりとちょっとした用事にも使えるのがメリット。
これから子供が育って思春期になると評価が変わるかもしれませんが、それはカーテンを追加するなり簡単に改善できると思います。

家造りにはタイミングが重要です。
子供の幼少期をこの家で迎えられた事はとても良かったと思っています。
家族の成長に応じてもしかしたらああしたほうがよかったというのが新たに出てくるかもしれません。
ですが、それはまたその時に考えればよいこと。
一番重要なのは家造りを通じて家族の在り方をきちんと皆で相談して決めること。
そういう過程が家族の絆を深めてくれると思っています。

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