施工ミス | 東京都荒川区の建築設計事務所Akatukidesign一級建築士事務所 https://akatukidesign.com ライフスタイルをデザインする建築設計事務所 Fri, 13 Jul 2018 15:14:06 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.1.1 https://akatukidesign.com/wp/wp-content/uploads/2017/10/cropped-faviconbig-32x32.png 施工ミス | 東京都荒川区の建築設計事務所Akatukidesign一級建築士事務所 https://akatukidesign.com 32 32 建築工事全体の流れを解りやすくご紹介~工事監理のチェックポイント https://akatukidesign.com/housetec/genbakoutei https://akatukidesign.com/housetec/genbakoutei#respond Tue, 03 Apr 2018 14:18:38 +0000 http://akatukidesign.com/?post_type=housetec&p=1900 Last Up Date:2018.03.29 [toc heading_levels=”2,3″] はじめに これまで旧Blogにて現場レポートという形で建築現場の進捗に合わせて工事の様子を伝え […]

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~工事監理のチェックポイント
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はじめに

これまで旧Blogにて現場レポートという形で建築現場の進捗に合わせて工事の様子を伝えてきました。
今回はそれらの現場レポートをひとまとめにした工事全体の流れを解りやすく解説するページを作成してみました。
まずはおおまかな全体の流れを示し、その後各工程の詳細のページを追加していこうと思っています。
コンセプトは絵で解説する工程表です。

複数の現場の写真や様々な工法の工事現場の情報をひとまとめにしているので若干前後する部分があるかもしれませんが、家造りが始まる前に目を通していただくとより明確になるのと、工事現場のチェックのポイントが少しは解ると思いますので是非最後まで読んでみてください。

現調・敷地測量について

現場調査

土地を購入した場合、建て替えの場合、様々なケースがありますがまず工事の始まる前に行う事は現場調査です。
敷地の測量図がない場合は敷地の測量を測量事務所に依頼することになります。
公図等で代用するケースもありますが、やはり周辺環境を含めた情報を事前に確認する必要があります。

現場調査
現場調査風景

重要なのは、周辺建物の窓の位置や高低差等の情報。
これらは公図には出てこないのできちんと現地で確認する必要があります。
また、周囲のコンクリートブロックのひび割れや藻の発生状況、道路の幅やマンホールや水道メーターの位置などを調査します。

解体工事について

解体工事

建て替えの場合はまず解体工事を行う必要があります。
解体工事は建築工事を請け負う工務店に依頼する場合と、別途直接契約で解体業者にお願いするケースがあります。
直接解体業者に依頼する場合は比較サイトなどを通じて安い解体業者を探すことが多いですが、これには一つ問題があります。

地中障害物

解体業者の範疇がはっきりしないため、きちんと後処理をしない業者が多く基礎工事を行おうとしたら土の中から残材が出てきたり、ちょっとした地中障害物(建物が建っているときには想定できなかったゴミ)で割高な追加料金を請求されるケースがあります。

解体風景
解体風景
解体風景

しかし、一番怖いのは近隣クレームです。
直接依頼の場合、解体業者はお施主さんとの付き合いは1度きりになります。
ですので、解体が終われば即撤退。
その間近隣からのクレームを切り抜ければよく、その後の事を考えていません。
なので、建物はなくなっても近隣の不満や遺恨が残って本工事の際に爆発するというケースが時々発生します。

建物解体費はいわば捨てる為のお金。
まったく、新居の良し悪しには影響しないので安ければ安いほどいいのですが、下手すると近隣との関係を大きく崩しかねない工事でとても重要です。

工務店を介して依頼する場合は割高になる事もありますが、その後も関係が続くためしっかりと行ってくれる印象です。

再利用する庭石
解体風景

また、新築で利用するものは前もって打合せする必要があります。
庭木や庭石などは気軽に利用しやすいですが、床板などの素材は再利用するための手間の方が割高になる為、安くするという目的のみで利用しようとする場合は注意が必要です。

地盤調査について

ボーリング調査
SS試験

こちらもほぼ設計業務の範疇かもしれませんが、地盤の強度を確かめる為に地盤調査を行います。
更地の場合は、設計前に行う事が出来ますが、解体を伴う場合は解体後に行う必要があります。
住宅で一般的なSS試験(スウェーデン式サウンディング試験)では5か所試験を行う事が多く、計画建物の4隅と中心の地盤強度を確かめることになります。

一方、より精密なボーリング調査の場合は1か所のみ。
傾斜地などは強度の分布が異なることが多いので、SS試験を併用して行います。

地盤調査についてもう少し掘り下げた記事を作成しました。
良ければこちらもご覧ください。

地鎮祭について

地鎮祭

地鎮祭は基本的にその土地に初めて家を建てる際に土地を清める意味で行います。
その土地の神様にこれから家造りを行う挨拶を行うといった具合です。

しかし、これからの家造りの安全や新居を建ててからの繁栄を願っても行われるため基本的に地鎮祭を行う事をお勧めしています。
やはり、記念にもなりますしね。

地鎮祭儀式
地鎮祭
地鎮祭鎮め物

式の中ではお施主様が参加する鍬入れの儀があります。
始めに設計者が草刈の仕草を三度繰り返すので同様に掘る仕草を三度繰り返せばよいだけです。
初めての経験の方が大半だと思いますので心配であれば予め確認しとくと良いでしょう。

式後には式典で清めた鎮め物やお札をいただくことがあります。
鎮め物は基礎の下に埋めるものなのでそのまま工務店の現場担当者さんにお渡しするのが良いです。

地縄張り

そして、その後に地縄の確認を行います。
地縄張りとは建物の大体の位置をロープなどで記したもの。
建物の配置に大きな間違いがないかの確認を行い、設定した高さの基準点などの確認も行います。

地盤改良工事について

地盤改良

建物を建てる前に重要なのは地盤の強度です。
建物が建つと見えなくなる部分ですがとても重要になります。
地盤改良の方法も様々ありますが、地盤の構成や敷地、道路の広さなどによっても選択肢が絞られます。
もちろん、支持杭(地盤のとても固い所まで杭を打つ工法)が一番信頼が高いのですが、コストを抑えながら安全な工法を選択する必要があります。

Information

地盤改良が必要と判断された地盤でも保証会社によっては地盤保証をつければ地盤改良なしでも良いと判断される場合があります。
どちらが正解とは言いきれませんが予算に応じては選択肢に入れると良いでしょう。

建築本体工事着工

実施設計が終わり、確認申請が降り、工事契約が済むといよいよ建築工事の始まりです。
ここからは各工程に分けて詳細解説のページを少しづつ増やそうと考えています。

根切り・遣り方工事について

根切工事

そして、いよいよ着工です。
基礎の図面を基に地面を掘っていきます。
このとき重要なのが、掘りすぎない事。
掘りすぎると土は柔らかくなってしまい問題が起きる事があります。

根切工事
遣り方

その為、このように基礎の形に合わせて掘るのです。
その時に目安になるのが遣り方という工事で、建物の周囲に板を建て水糸を張って高さを確認しながら掘る事が出来るようになります。

また、捨てコンクリートといって薄いコンクリートを基礎の下に打つのですが、これは防湿の為と基礎の精度を高める為にはとても重要です。
時々省略することもありますが、その場合は鉄筋を組む際にはチェックを念入りに行う必要があります。

配筋工事について

配筋工事

鉄筋を組み立てる工事です。
最近では現場ですべて1から作ることが少なくなってきました。
加工鉄筋といって工場で組み上げたものを現場で繋げる作業がメインです。

配筋検査

しかし、そのつなげる作業でもミスが良くあります。
また、図面の読み違いによってもミスが起こります。
その為にも配筋検査が重要で、特に構造計算を行った複雑な基礎の場合はとても間違いが起こりやすいので注意が必要です。

加工鉄筋が主流となり、構造図をきちんと見れない職人が増えた印象です。
また、あまり日本語が通じない外国人の職人さんなどにも時々遭遇します。
もちろん、外国人だからダメというわけではなく、それをきちんと管理できる現場監督などが存在するかが肝となります。

コンクリート打設工事について

コンクリート打設
コンクリート検査

木造住宅の場合、基礎のコンクリートを打つ回数は2回になります。
底盤(平の底の部分)と立ち上がり(基礎の縦の部分)に分けてコンクリート打設を行います。

コンクリートの一部をサンプルとして取り出し、成分や流動性、硬化後の強度などをチェックします。

また、打設の際はバイブレータと呼ばれる振動棒を使ってコンクリートが隅々まで入り込むように注意します。
この振動が足りないと空隙ができてしまいコンクリートの強度を大きく損ねてしまう事になります。
特に、断熱材などを型枠とする工法の際はこの空隙(ジャンカ)に気づきづらいので要注意です。
RC構造の時などは木槌で型枠などを叩いて振動を与えてジャンカを防ぎます。

先行配管工事について

先行配管

コンクリート打設時に同時並行して外部の設備配管工事を行う事が多いです。

プレカット工事の注意点

プレカット工場

こちらは現場で工事が行われるわけではありませんが、プレカット工場で躯体が刻まれます。
基本的に工場までチェックをしに行くことはありませんが、加工用の図面を念入りにチェックし、間違いが起きないようにします。
この図面チェックも、様々なミスが発生します。
構造図通りになっていない場合や施工上の問題点なども見つかる場合もあり、設計監理の上ではとても重要な仕事です。

先行土台、足場組立工事について

先行土台

上棟工事の前日には、予め土台を敷設します。
防湿気密パッキンや、通気パッキン等コンクリートと土台が直接接しない様にしながら土台と基礎をアンカーボルトで止めていきます。
工場ですでにアンカーボルトを通す穴があけられていることもありますが、現場で開けたり、金物工法の場合は特殊な金物を取り付けたりします。

建て方工事

また、建て方に備え、足場が組み立てられます。
足場は専門の業者が組むのですが、敷地の大きさによって様々なタイプがあり建物の形に合わせて組み上げます。

上棟

工事の山場である建て方。
昔は現場で大工さんが刻んだりして着工から上棟までが一つの節目でしたが、現在はプレカット化が進みあっという間に上棟となります。

建て方工事について

建て方工事

いよいよ建て方工事です。
レッカー車を手配するとお金がかかるので基本的に1日で終わらせます。

その為、レッカー車が到着する前に土台に柱を建て、すぐに梁を載せられるように準備します。
組み立てる手順は棟梁の腕の見せ所。
その手順によっては精度や組みやすさなどに影響します。

建て方工事

組み立てながら建物のゆがみを調整します。
この調整がしっかりしていないと、後の大工工事の際に大変になってしまうので大工さんは真剣です。
ここの作業をしっかり行っている大工さんは少し安心できます。

床板を貼りながら組み上げ、屋根の架構が組みあがったら上棟です。
レッカー車が帰る前に屋根の野地板などを引き上げ掃除や整理を行ったら上棟式を行います。

上棟式

といっても、最近はきちんと上棟式を行う事はほとんどありません。
施主慰労という形で簡易的に行う事が多いです。
神主さんを呼ばずに現場監督さんや棟梁を中心にお酒などで柱などを清め、簡単な食事会を開く形になります。

中間検査(金物検査)について

金物検査

躯体の金物がとり付くと金物検査です。
規模によっては法令検査(中間検査)が行われますが、小規模なら現場と保証会社の検査のみになります。
建物にはご覧の様な金物が必要な強度に応じて様々取りつきます。

金物検査

アンカーボルトや筋交い金物などはほぼ間違いがありませんが、釘が止まっていなかったり、ネジが緩んでいたりすることがまれにあります。

釘抜け

そして、よく間違いがあるのが外周部の合板の釘打ち。
役所の検査の場合はキチンとチェックしていただく検査員さんもいらっしゃいますが、保証会社などのチェックでは検査対象でないのかほとんど指摘を受けたことはありません。

ただし、私が現場で確認する限り、正しい間隔で打ち付けられていなかったり、端に打ち過ぎて強度が期待できなかったり、強く打ち過ぎてめり込み過ぎてしまっていたりと、きちんと施工できている現場の方が少ない気がします。

Check Point

検査が合格したからといって安心できません。
こいうった細部は全く検査されていないことが多く、特に内部耐力壁や特殊な金物を使った部分などは見落とされていることが多いです。

防蟻工事について

防蟻工事
防蟻工事

外壁の合板が張られ、断熱材が充填される前に防蟻処理を行います。
防蟻の方法は様々ですが、最近は人体に害の少ない防蟻方法を選ぶのが主流です。

その為、薬剤も無色透明の物が多く防蟻処理された範囲が解りづらいのが難点です。
着色した防蟻材を使う事もありますが、施工した範囲にこの様にスタンプを押すこともあります。

サッシ工事の注意点

サッシ工事
サッシ廻り防水

上棟が終わると間もなく、サッシが取り付けられます。
それはいち早く雨から建物を防ぎたいからです。
しかし、この工程も実に多くの間違いが発生します。

そのほとんどは知識不足からのミス。
防水の仕組みをきちんと理解していないことから起きます。

サッシ廻りは施工手順が非常に重要になってくる箇所。
防水テープや透湿防水シートを張る順序や種類などそれぞれに意味があり大切なのです。

Check Point

素人でも確認は可能です。
水は上から下に流れるものとして壁の中に入り込んだ水が外に排出されるようになっているかを確認すると良いです。
その時、防水テープが剥がれたりした時にも簡単に入り込まないかが重要なポイントになります。

屋根板金・防水工事の注意点

屋根防水工事

サッシの取り付けと並行して屋根の防水と外壁の透湿防水シートの施工を行います。
こちらも防水紙の重ね代などが正しくとれているか?
また、端部や壁との取り合い部分などのイレギュラー部分は正しく施工できているかを確認します。

先張り防水紙

図面にきちんと記載していてもよく間違えられるのが先張り防水紙。
この様に屋根を組む前に防水紙を部分的に施工しておくことで、漏水のリスクを減らします。

FRP防水工事

バルコニーや陸屋根(屋上)はFRP防水といってガラスの繊維を重ねて防水層を形成します。
紫外線に弱いので塗装でコーティングしますが、定期的にメンテナンスする必要があります。

床暖房工事について

床暖房工事

床暖房を敷設する場合は、床の施工前に行います。
床暖房の方式も様々で工法によって手順や時期が異なりますが、当事務所ではパネルタイプではなく、一本の長いパイプを現場で施工する方式をとることが多いです。
メリットは、パイプの太さが均一で温度ムラが出にくいのと部屋の隅々まで敷設できる事。
また、無垢の床材を利用しても狂いが出にくい低温の床暖房を利用できることです。

床暖房工事

他にも温風を利用したり、蓄熱や太陽光を利用した床暖房など工事が進む前に様々な準備をします。

充填・吹付け断熱工事の注意点

断熱材工事

中間検査に合格すると断熱材を施工し始めます。
注意すべき所は断熱材の切れ目がないかです。
特にサッシ廻りなどの狭い隙間や配管などの貫通部分、筋交いなどの構造躯体が複雑な部分などできちんと施工できているかを確認します。

断熱や気密のグレードが高い家は、気密シートや断熱材に付着したビニールの施工方法が少し特殊で、それらがきちんと施工できているかも確認します。

セルローズファイバー吹込み工事

セルローズファイバーの吹込み工事の場合は専門の業者がキチンと厚みなどを確認しながら施工してくれるので安心です。
しかし、後からコンセントボックスやスイッチの位置などが容易に変更できないので事前に充分な打ち合わせが必要になります。

ウレタン吹き付け工事

ウレタンなどの吹き付け系の断熱材の施工の場合は厚みがきちんと確保できているかを確認します。
通常は厚みの確認できる厚みガイドピン等で確認しますが、ピンがない場合は柱の周辺などで確認すると良いでしょう。
結構な頻度で厚みが足りないことがあります。
人の手で施工しているので厚みにムラが出る事は当然なのですが、状況に応じて補修してもらうと良いと思います。

床の施工の注意点

床の施工

床の施工時の注意点はあまりありませんが、無垢材を利用する場合は木の乾燥収縮を考慮する必要があります。
季節によって自然素材である木は呼吸するように伸び縮みします。
夏場に施工する場合と冬に施工する場合で条件は変わりますが、この写真の様にガイドを当てて隙間を確保しながら施工します。
職人さんの経験と勘が頼りになります。

通気胴縁の注意点

通気胴縁の施工

外壁の施工前に通気胴縁を取り付けます。
これは防水シートに直接外壁を取り付けるのではなく、空気と水の通り道を設ける目的で取り付けます。
空気は太陽で熱せられた空気が上昇して循環することで住宅に入り込む熱量を抑えます。
そして、外壁の間から水が浸入した際に外に排出できる逃げ道を作っているわけです。

ここでのチェックポイントは二つ。
空気の通り道が下から上へときちんとつながっているか?
水が入り込んだ場合の逃げ道がきちんと確保できているかです。

Check Point

防水は2重になっているか?が防水の基本。
また、サッシ廻りは通気のルートが遮られる可能性が高いので確認します。

外壁工事(モルタル外壁の場合)の注意点

モルタル施工

通気胴縁に防水紙付きのリブラス(金網)を取り付けモルタルを施工します。

ファイバーメッシュ施工

モルタルのクラック防止にファイバーメッシュを入れる事があります。
かなり有効な手段ですが、やはりサッシなどの開口部廻りやコーナーなどでは乾燥収縮によるひび割れが起きる事があります。
なるべくそういった事が起きない様にできる限りの補強をします。

設備配管・電気配線工事の注意点

設備配管工事

大工さんの工事と並行して設備配管や電気の配線工事が行われます。
キチンと勾配などが確保できているか確認します。

ユニットバス工事

ユニットバスはこの時期に施工します。
壁が出来てしまうと施工できなくなる鉄骨階段等も設置します。

石膏ボード施工時の注意点

石膏ボードの施工

石膏ボードの施工が始まると大工さんの仕事も終盤に差し掛かります。
ボードが張られてしまうと躯体など見えなくなってしまうので隠れて見えなくなってしまうところを重点的にチェックします。

また、この際にDL等の位置なども決めておく必要があります。
重い器具を取り付けるか所や力の掛かる箇所には石膏ボードの裏に下地を入れておくことを忘れないようにします。(防火の規制がない場合は石膏ボードの代わりに合板を入れます)

Check Point

ひとえに石膏ボードと言っても、強化石膏ボード、耐水石膏ボード等様々な種類の石膏ボードがあります。
色や刻印が違っているので現場で正しく使い分けれれているかチェックします。

大工工事完了

石膏ボード完了

石膏ボードが張られると大工工事完了です。
この時点で中間金の支払いのタイミングになる事が多いです。

造作家具工事の注意点

家具工事

造作家具は大工さんが作る場合と家具屋さんが作る場合があります。
大工さんが作る場合は単純な構造のものが多く、扉は建具屋さんが作るといった分業になる事が多いです。
一方、全て家具屋さんが作る場合は塗装まで一貫して工場で作成し、現場で組み立てます。
家具工事の方が割高になりますが、塗装の質や高い精度を要求する家具の場合は大工工事だと難しい場合があります。

タイル・石工事の注意点

タイル工事

タイルや石工事は割り付けが肝心です。
半端な大きさのタイルが出ない様に予め検討します。
設計段階で壁の位置などを調整して割り付けに合わせた設計をすることもあります。

建具工事の注意点

建具工事

建具の枠は予め大工さんが取り付けます。
既製品の場合はそのまま扉を取り付けて完成ですが、造作の場合は建具屋さんが枠を採寸して加工することからスタートです。
造作家具の扉を建具屋さんが作成する場合はこちらも採寸します。

採寸した開口に合わせて扉を加工し、現場で金物の取り付けや掘り込み加工などを行います。

内装仕上げ工時の注意点

クロス工事

内装仕上げの肝は下地処理。
石膏ボードの継ぎ目や釘の穴を埋めて滑らかにします。
クロス工事の場合はクロスの厚みによって要求される下地処理のレベルが変わってきます。
薄いクロスや塗装仕上げの場合はより念入りな下地処理が必要となります。

塗装工事の注意点

塗装工事

塗装工事の際に気をつけたいのは色見本を作る事です。
塗る素材によっては同じ色でも完成した色は異なるものです。
キチンと塗る素材と同じもので色見本を作ってもらいましょう。

照明工事の注意点

照明工事

スイッチやコンセントプレート、照明器具を取り付けます。
間接照明などはあかりを実際灯して確認します。

設備施工時の注意点

キッチン工事

キッチンや洗面台の施工は竣工直前になります。
ショールームで最終決定を行いますが、先に施工するUBと同時期に決定することが多いです。
年度や季節をまたぐ場合は新商品と入れ替わったりするので注意が必要です。

また、タオルバーやペーパーホルダー等の取り付けも行われます。

竣工

器具などがとり付いて最後の施主検査、完了検査が済めば竣工です。
役所の完了検査は出来栄えではなく法律的に必要なものがついているか?守られているかの確認なので仕上がり状況や、図面通りに出来ているかなどは施主や建築家がチェックすることになります。

引渡し前に壁や床の汚れをチェックし、必要に応じて補修をお願いします。
また、可動部分は不具合や見つかることがあるのでできる限り開けられる部分は開けて確認するのが良いと思います。

外構工事について

外構工事

外構工事は建物が竣工した後にずれ込むことが多いです。
理想は引渡し前にすべて完了することですが植栽は適した施工時期もあるのである程度仕方ない部分があります。

根が安定するまではたっぷりと水やりを行って枯れない様に気をつけます。
また、施主検査の際にチェックした項目の補修などを行いながら残工事を全て終わらせたら引っ越しです。

竣工・引き渡し後について

建物が完成し、引っ越しが終わったからと言って建築家や工務店との関係が終わるわけではありません。
手を入れながらも永く快適に住める家。
そんな家の実現に向けて取り組んでいるわけですので、これからも良い関係が築ければと思っています。

不具合、調整などは急を要すもの以外はまとめて行う事が多いです。
特にクロスなどは下地の乾燥収縮によってコーナー部分が開いたりしてしまう事が多いです。
その為、一定期間様子を見て、収縮が落ち着いてから行う方が具合が良いです。
また、工務店の定めによって1年点検、2年点検等定期的に確認が行われることがあります。

現場監理のチェックポイントまとめ

建築工事の一通りの流れと工事監理のチェックポイントをまとめてみました。
私が現場監理をしていて間違いやミスに直面した場面を思い出しながらチェックポイントを記載しました。
しかし、注意していただきたいのはここで書かれたことが工事現場で行われていなかったからといって、直ちにそれが施工ミスとか、手抜き施工という事にはならない事に注意してください。

様々な工法の選択になる建築工事において答えは一つではありません。
あるものが抜けていたとしてもそれを補う工法を採用してたりするケースもありますし、そもそも求めているグレードが全く違う事もあります。

当事務所に依頼していただいた場合は、現場でのミスなどが起きにくいように現場でのチェックに重点をおいています。
それでもどの現場でも大体何かしらのミスや勘違いが発生してしまいます。。。
その場合ははきちんと説明して改善を行っていますが、やはり人が携わるモノづくりだからこそ100%防ぐ手立てがないのが実情です。

ですので、出来る限り自分の目でも確認する。
疑問はきちんとぶつけてみるのが一番です。
また、設計者や監督に出来る限り現場に出向いて確認してもらう事が重要だと思います。

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