キャットハウス~ツリーハウス風キッズルームリフォーム

キャットハウス~ツリーハウス風キッズルームリフォーム

猫と共に成長するキッズルーム

キャットツリーイメージ

計画から施工までの過程はblogで紹介しています。
よろしければこちらもご覧ください。

Portfolio / 竣工写真ピックアップ

Concept / コンセプト

建築家の自邸のスケルトンリフォームです。
建築当初子供部屋は2室に分割できるフレキシブルな”がらんどう”の部屋でした。
二分割する場合の大まかなイメージは出来ており、二つある扉の位置や窓、電気・スイッチの位置は検討済だったんですが、娘一人が使うことになり練り直すこととなりました。

それがスケルトンリフォームの最大の利点です。
家を建てる際にまだ子供が生まれていなかったり、何人家族になるかが不確実なことがよくあります。
Akatukihouse子世帯

その際、ただ”がらんどう”のスケルトンルームを用意するのではなくできる限り「家具のレイアウト」も含めた分割案を想定するようにしています。

今回は、子供一人の為そのまま部屋として利用可能で、ただ収納を造るだけでも完成なのですが・・・
そこには一つ私のこだわりがあってあまり広すぎる部屋を娘に与えたくなかったのです。

寝室はできるだけ小さいほうがいい。
寝室だけで物事が完結するのではなく、他に機能がちりばめられている方が部屋に籠るのではなく、自然と家族と触れ合えるようになるという思いがあるからです。

猫ふんじゃった

始めは私の仕事場のスペースを少し確保しようと思ったのですが、私が一人で仕事をしていると飼い猫の”ひめ”が引き出しの上にのってきたり、モニターの前に寝転んで邪魔したりと構ってほしいアピールしてくるんです。
その愛らしいこと愛らしいこと。
是非、娘にも同じ体験をしながら成長してもらいたいという思いが強くなりました。

猫ふんじゃった

猫と共に成長できるキッズルーム
それが今回のリノベーションのコンセプトです。

Idea&Detail / 家造りのアイデア・設計のポイント

イメージスケッチで女の子らしい子供部屋に

猫の為の家造りスケッチ
猫ハウススケッチ

嫁さんと娘からはかわいらしい部屋がいいという漠然とした要望がありました。
そこで、数パターンのアイデアスケッチを描いて意見を聞くことに。
概ねどの案も気に入っていただいたのですが、自分的に推したかったのは城をモチーフにした案。
しかし、これはさすがにやりすぎという事で。。。
ツリーハウス状のベットを作って猫の遊び場にもなるようにデザインを絞っていきました。

キャットツリーイメージ

そこで、最終的にまとまったのがこの案です。
テラス付きのツリーハウスで上がベット、下が隠れ家的な雰囲気のスペースにするというものです。

詳しい制作の過程は別途blogで綴っています。
よろしければそちらもご覧ください。

キャットテラスのあるツリーハウス

キャットハウス竣工写真

完成写真がこちら。
ほとんどスケッチと同じように出来上がりました。

羊のファーblogで悩んでいたテラス部分のグリーンは結局、以前から使っていた羊のファーを飾っています。
ひめがいたずらを頻繁にするようだと変えなければなりませんけどね。
でも、今のところ爪を研いだりする様子は見られません。
ふかふかの羊毛に包まれて気持ちよさそうに寝たりしています。

後は、おしっこさえしなければよいのですが・・・
(肌触りの良いところでおしっこをしてしまうことが今までありまして・・・)

本物の白樺を使ったキャットツリー

ポイントとなるのはこの白樺の木。
実際に目で見て選ぶことはできませんでしたが、ネットで北海道の業者さんから写真を送っていただき決定しました。
この白樺の木がとてもいいアクセントとなり、ツリーハウスっぽさを演出しています。

白樺の木には麻紐を巻き付け爪とぎをできるようにしています。

小屋らしさを演出

キャットテラスのあるツリーハウス

小屋らしく見せるために、キャットハウス施工後に自分たちで羽目板風の塩ビフローリングを貼りました。

キャットハウス竣工写真実はこの塩ビフローリング貼りは娘にも手伝ってもらいました。
サッシ周りが綺麗に割り付けられるように、線を引いてもらっているところ。
全景写真だと気づきにくいですが、このようにギザギザが出来ていて厚みがあるのがわかると思います。

突き出し窓

施工していくうちにどんどん上達していったのですが、上手になったころには完成してしまいました。
またやり直せばもっと綺麗にできたのに(笑)

もう一つの小屋ポイントがこの小窓。
突き出して開けられ固定できるようになっています。
猫の通り道にもなるんです。

真鍮の金物を使って細部にもこだわりました。

季節で模様替え猫ハンモック

キャットハウス使用例

本当は、娘の為のハンモックもつけたかったんですが、スペースがないため断念。
その代わり、”猫用ハンモック”を取り付けられるようになっています。
フック式で簡単に取り外し可能で季節によって容易に交換できるようにしました。

このハンモックに登るためにベットの基礎部分の本棚に開けられた丸穴をくぐっていくわけですが、あまり通ってくれません。
すぐ見かねた娘がぽいっと乗せてくれるのを知ってしまったからです(笑)

猫も歩く本棚収納

キャットハウス本棚収納

道路側にはキャットウォークを兼ねた壁面収納を設けました。
電子ピアノと学習机を置いて邪魔にならないように寸法を調整しました。

キャットウォークを兼ねた壁面収納

猫が歩けるスペースを確保していますが・・・
本を敷き詰めると通れなくなってしまいます。
ここは娘に利用方法を考えて自由に飾りつけしたりして楽しんでもらう予定です。。

キャットハウス竣工写真

今は娘に近づきすぎるといじられまくって居心地が悪い様なので、少し距離を取ってじゃれてくる感じ。
それなので丸穴からちょっかい出してくるぐらいがちょうどよいみたいです。
これは、猫と娘の成長によって変化するところですね。

キャットハウス竣工写真

日中は、キャットウォークから外を眺めるのが大好き。
庭だと、鳥や蝶を見ることができますが、こちらからだと人間観察がメイン。
いつかここから家族の帰りをまつひめが見られるのかな?

キャットハウス竣工写真

やっぱ高いところから眺めるのが大好きみたい。
リビングでは、スケルトン階段から見下ろしたり、キッチンの吊戸棚から我々の生活を監視したりするのですが、キッズルームでは、いろいろなところが監視ポイントになります。

自由に行き来できる場所が増えて大満足の様子。
ひめから直接意見を聞ければ次の設計にも活かせるのに(笑)

猫の性格や種類によっても好みや使い方が変わると思うので「猫の為の家づくり」はほんと難しいですよね。
あ~~~ひめからありがとうのニャーをいただきたい!

ツリーハウスのベット

ツリーハウスのベット

ツリーハウスの内側はこのようにベットになっています。
通常のベットより少しだけ長くなっていて、枕元にはぬいぐるみや本などを置けるスペースがあります。
また、蓋を開けるとちょっとした小物もしまえるような作りになっています。

家の中に”娘だけの家”がある。
そのことは、とても愛着を持って使ってくれることにつながると思っています。
自分が子供の時だったらという気持ちを大切にワクワクできる家をデザインしました。
そして、それは娘がとても喜んでくれてお父さんをより好きになってくれたらいいなぁという願いが詰まっています。

クローゼット

キャットハウスクローゼット

新たに作ったクローゼットには大きな鏡を設けました。
娘がダンスを習っているので振り付けをちょっと確認したいときに利用できたらと思っています。

キャットハウス竣工写真

その脇の収納は蓋を閉じると猫の為のステップになります。

キャットハウス使用例

キャットウォーク状の壁面収納から繋がった収納スペースから飛び降りて遊べるようになっています。
そこには時々、段ボールなどで遊び場をつけ足したりできるように考えています。
手作りキャットタワー
これはほんとに簡単なつくりですが、こんな感じで時々手作りキャットタワーを造ったりして変化を持たしたいなぁと思っています。
普段はここにランドセルや書道道具など学校の為のものが雑多に置かれる予定ですが、時々変化があってもよいですよね。
娘が自分でキャットタワーを造るようになったら嬉しいんですけどね。

そんなにうまくいかないですよね(笑)

こんもりと穴倉っぽい隠れ家

キャットハウス隠れ家

キャットハウスの下はご覧のように穴倉のような隠れ家スペース。
お友達と横になりながら語らったり、トランプやボードゲームを楽しむスペースです。
普段はキャスター付きの収納などが置かれる想定ですが、それをどかしてちょっとした修学旅行気分を楽しめるスペースです。

猫と育つキッズルームまとめ

私自身、猫を飼い始めて2年というまだまだひよっこの飼い主です。
まだまだ猫の性格や行動を把握しきれていない上、子育てもこれからです。

でも、ひとつ確実に言えることは子供の為のキッズルームをリフォームしてよかったという事。
そう、思い込めなければ意味ないですものね。

子供の成長にどの様な要素が影響を与えるかわかりません。
友人や、先生など交友関係から育む愛情もあると思いますが、家族が子供の為にどうなってもらいたいか?
と、その過程を考えながら会話をし、意見を共有する事。
どうしてあげたいと考えることは習い事を選ぶのと同じくらい、いやそれ以上に子供の成長に影響を与えることだと思っています。

猫と一緒にやさしい大人に育ってもらいたい。

言葉にするとただそれだけですが、それだけではない何かが作れたと思っています。

書籍情報

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建築知識2019年4月号の海外に学ぶ猫のための家づくり特集に掲載されました。
良かったらこちらもご覧ください。
それにしても、海外事例はすごすぎます!

 

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