建築概要
埼玉県入間市に建つマンションリフォーム
建築家の自邸建設の為の資産形成プロジェクト
諸データ
建設地: | 埼玉県入間市 |
工事種別: | リフォーム |
Total: | 約75㎡ |
構造: | RC壁式構造 |
りふぉーむ改修費用: | 280万円 (機器等全て含む) |
施工: | (株)はうす壱番館 |
建築家の自邸建設の為、実家を売却する際に不動産屋さんに相談するとフルリフォームをしても870万円ほどが相場だという。
しかし、WEBなどで直近の販売実績を確認するとそれよりも高い物件が見当たりました。
そこで、少し凝ったリフォームを行うことで資産価値を高め、不動産の提示する額より高く販売しようとリフォーム案を作成しました。
販売することが目的なので費用をかけすぎても回収できなければ意味がありません。
また、購入層をある程度絞り込んでリフォームする必要があるので、その方向性を誤ると資産価値を高めるどころか、価値を認めてくれる方がなかなか見つからない不良物件となってしまいます。
建築的に素晴らしいものを作るのが必ずしも正解でないのがこの投資リフォームです。
その要となるのがこの洗面所。
この物件は洗面所に扉がなくセミオープンな間取り。
間取りを変更すると大幅にコストがかかってしまうので、設備の入れ替え+αでリフォームを検討したのですが、セミオープンな間取りだからこそこの洗面台はとても重要な位置づけです。
既製品の洗面化粧台と周辺の造作工事で素敵に見えるように商品を選びました。
リフォームという事で図面をだいぶ省いて施工をお願いしたのですが、この洗面所周りだけは詳細図とスケッチを描いてディテールを細かく指示しました。
凝ればいくらでもお金をかけてデザインできるのですが、販売価格帯や購入層を踏まえるとあまりお金をかけすぎるべきではないと判断しました。
そこでシンプルなシステムキッチンを採用して、食洗器を導入。
子育て世代にも喜ばれるように配慮しました。
メインとなるキッチン、洗面、浴室はもちろん、それ以外の基調となるフローリングやクロスはきちんとサンプルを見て確認。キッチンと洗面化粧台との相性をチェックします。
この確認作業にはお金がかからないのでしっかりと行う事は重要です。
また、アクセサリーや取っ手などは凝ったデザインにしても極端にお金が変わらないので、こだわりたいところ。
この些細な手間が印象を大きく変えます。
よく利用するのはKAWAJUNのアクセサリーでミニマルなデザインでホテルなどに採用されるようなスタイリッシュなものが多く、印象が大きく変わります。
価格も一般的な国産メーカーのものに比べれば数千円UP/個程度なので不動産の販売価格から考えたら微々たるもので、その効果はとても素晴らしいものだと思っています。
また、アクセサリー類は支給品で自己手配しやすく工務店にもお願いしやすいのがまた良いのです。
他にもIKEAやSANWACOMPANY等、ローコストで洗練されたデザインの物を売っているサイトもお勧めです。
不動産の売却となるとやはり販促チラシのキャッチフレーズです。
幸運なことに、南向きのバルコニーは日当たりが良好で道路越しに公園も広がり最大のアピールポイントとなりました。
それ以外にもやはりアピールしたいのは”設備フルリニューアル”、”クロス全面張替え”、”全室照明付き”等。
これらのキャッチフレーズを意識してリフォームすることも重要です。
例えばトイレは5年前に変えたからなどと中途半端に残してしまうとアピールポイントを一つ失うことになります。
”もったいない”といえばそれまでなのですが、中古住宅購入時には比較するのが現在の家賃です。
簡単に図式化すると
ローン+管理費<家賃
が購入の動機付けになります。
ローン購入後に余分なお金がかかる負担よりも、月々のローンが若干高くなるぐらいの方が負担が少ないと感じるそうです。
ですので、購入後しばらく急な出費が発生しないイメージの方が販売しやすいのだと思います。
中古住宅を販売する際は、住みながら売るのが本当は良いそうです。
それは自分がそこに暮らすイメージができるからだそうなんですが、リフォーム後だとそうはいきませんよね。
そこで、今回は嫁さんに頼んで少しだけ飾り付けを行いました。
特に洗面所周りですが大分印象が変わりました。
販売は好調でチラシ掲載後すぐに売却する事が出来ました。
委託したのは以前からよく手配りのチラシの入っていた不動産屋さん。
大手ではないですが、地域に密着して市場を正しくとらえている印象がありました。
HPなどに公開しっぱなしではなく、きちんと手配りチラシを作成したりオープンハウスを行ったりとしっかり対応していただきました。
やはり中古の住宅となると近所に住んでいる方の住み替えのケースが多いため、地元に強い不動産屋さんが良いと思います。
チェックポイントとしてはやはり住んでいる間に投げ込まれた広告の質だと思います。
良い広告を打っている不動産屋さんは自分が委託した時にも同じように丁寧に扱ってくれると評価できると思います。
そして、今回の中古マンション売却の収支ですが初めに大手の不動産屋さんが見積もった販売価格からリフォーム費用を差し引いても約300万円ほど上乗せして売却する事が出来ました。
市場調査をしっかり行ってこだわりすぎないリフォーム。
資産価値を高めて建築家の自邸へのステップとなりました。
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