最高の借景・筑波山を眺める家二世帯で寄り添う家造り

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最高の借景・筑波山を眺める家二世帯で寄り添う家造り

建築概要

茨城県筑西市に建つ二世帯住宅
筑波山の借景を愉しむ家

諸データ

建設地: 茨城県筑西市
工事種別: 新築
敷地面積: 352.25㎡
1.st: 67.90㎡
2.nd: 61.69㎡
Total: 129.59㎡
建蔽率: 20.03%<60%
容積率: 36.78%<200%
用途地域: 市街化調整地域
構造: 木造2階建
断熱: 充填断熱工法
※次世代省エネ基準
防火: 準防火構造
その他: 開発許可
建設費: 2000万円代

一階平面図

借景住宅1階

二階平面図

借景住宅2階

全体予定図

筑波山借景住宅

模型

筑波山を眺める家模型
寄り添う二世帯住宅模型
※一部計画中のものが含まれます

Portfolio / 竣工写真ピックアップ

Concept / コンセプト

我が家の二世帯住宅が気に入ってご相談いただいたお施主様。
二軒の家が寄り添うような二世帯住宅で地に足の着くゆったりとした落ち着きある住宅を希望されました。
当初は、南向きの温かい家を希望されていたのですが、現地調査に行った際に私が筑波山の眺めに一目ぼれして、勝手に筑波山をどのように取り込むかが裏テーマとなりました。

市街化調整地域での建築の為、今までに加えもう一軒新築するための開発手続き等苦慮しました。
私が今回重視したのは、住居に至るアプローチ。
筑波山を背にしてアプローチするのではなく、真正面に捉えてフォーカスしたいと考えました。

基本的な交通手段が車ゆえ、駐車場との位置とそこから玄関に至るアプローチをデザインして筑波山の美しいシルエットを引き出したい。
その思いが配置計画に活かされています。

※施工等の諸事情により、長期間に渡りとびとびで工事が行われました。
また、当初は親世帯と子世帯同時に新築予定でしたが、子世帯を新築後仮住まい→母屋解体→母屋新築という流れになり、今回は子世帯のみ新築した状態での写真になります。

Idea&Detail / 家造りのアイデア・設計のポイント

筑波山との向き合い方

筑波山を眺める家の模型

筑波山を眺める家の全体模型


※少し古いプランでの模型になります

コンセプトでも書きましたが、道路からまっすぐアプローチするのではなく住宅の背後に駐車場を設けぐるっと遠回りをしてアプローチをします。
それは銀閣寺のアプローチのようなイメージで建築学的に言うとシークエンスという場面変化的な効果を狙っています。

筑波山を眺めるアプローチ

筑波山を眺める家のアプローチ

まだ、外構&母屋が出来上がっていませんが、駐車場から門扉を抜けると親世帯と子世帯の隙間の路地からはご覧のような筑波山のシルエットが真正面に捉えられるように角度を調整しました。

実はこれが設計の最大ポイント。

南向きのリビングにしたいという強い要望を汲み取りつつも、筑波山の借景の魅力を気づいてもらう為に模型を造り、お施主さんに伝えようとしたのです。

それまでの家では、筑波山側にも窓が設けられていたのですが、下半分が摺りガラスで屋内から見えず、住んでいるときはほとんど意識していなかったといいます。
南向きに2軒並べて建ててしまうと、その景色を眺められるところは非常に限られてしまうため、南向きという方位にとらわれずに、”筑波山向きリビング”を提案し取り入れてもらいました。
始めの図面だけではお施主さんもピンときていなかったものを模型を現地で方角を合わせながらここからこの景色が見られるなどの説明に利用し納得してもらったのです。

筑波山を眺める家の竣工写真

筑波山の初日の出

その成果が一番感じられたのがこの写真。
お施主様がお正月に工事中のテラスから撮ったという初日の出です。
今まで自宅から初日の出を見たり、意識したことがなかったらしいのですが今回初めて自宅から眺め撮影したそうなんです。
とても喜んでいただき、私もうれしくなりました。

ただ、依頼された内容だけをこなすのではなく、この土地にこの場所で、そこに住まう方々にとって何が大事かをうまく形にできた好例だと思っています。
それはただ力業で自分の考えを押し通すのではなく、その魅力をいかに伝えられるか?
イメージをどこまで共有できるかがカギになるのではないでしょうか?

薪ストーブと割石フューチャーウオール

薪ストーブと割石タイル

薪ストーブを引き立てる割石フューチャーウオール

そして、もう一つこの家の目玉がこの薪ストーブ。
モダンすぎず、飽きの来ないデザインのものを選びました。
背面には割石の壁を設け落ち着いた印象にしています。

薪ストーブ

予算の関係で、蓄熱式の床暖房を泣く泣く諦めたのですが、このストーブだけは外せませんでした。
お施主様が廃材が無料で手に入るそうなのでランニングコストがほとんどかからないのも決めたきっかけです。

ただ輻射熱だけでなく、見た目もあったかいのがストーブの特徴。

本物の炎のゆらめきって最高に素敵ですよね。
パチパチ火がはじける音もとても心地よく、心身をリラックスさせてくれます。

室内からの筑波山・借景

筑波山の借景
お風呂からの借景

もちろん、部屋の中からも筑波山の借景が楽しめます。
リビングはもちろん、お風呂からも抜群の眺め。

筑波山を眺めるテラス

筑波山を眺める家の借景

そして、階段を登ってすぐに目の前に広がるのがこのテラスからの眺め。
ここでバーベキューなども楽しみたいという要望から広いテラスとなっています。

小上がりの和室

小上がりの和室

リビングから続く一角には小上がりの和室があります。
簡易に仕切れる襖付きで、床下には大容量の収納と、掘りごたつがあります。

吊押し入れ・堀こたつ

筑波山を眺める家吊押し入れ

押し入れは吊押し入れの形で、来客時に荷物の置き場所になったり布団も敷けるようになります。

ウォークスルークロゼット

ウォークスルークロゼット

ウォークスルークロゼット

玄関は自転車を収納できるスペースと家具などの設置も見据えた広さ。
その脇にはウォークスルークロゼットを設け、ゴルフバックなどを収納できるようにしています。

土間リビング

 

土間リビング

土間リビング

薪ストーブの温かいぬくもりに包まれた土間リビング。
冬あったかいのはもちろん。
夏場はひんやりと気持ちよい。

L型のソファを設置予定でその脇には書斎スペースがあります。
天井高さと床レベルを変えることで一体の広々とした空間でありながら、こんもりと温かい印象を受ける様に計画しました。

最後に

子世帯はこれでいったん完成となりますが、親世帯はこれから解体、新築となります。
筑波山のシルエットのような親世帯と子世帯がもたれかかるような形で建てられる予定です。
互いの住居からはお互いの生活が見ることはできませんが、それぞれから同じ筑波山を眺めながら生活する事で一体感を生み、ゆるく繋ぐ二世帯住宅となるように願いを込めて計画しました。

こちらも、完成はまだまだ先となる予定ですが全体が出来上がるのが楽しみです。

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