耐火建築物の緩和がもう少しで可能に?防火地域の三階建てが現実化

「建築基準法の一部を改正する法律案」を閣議決定

狭小住宅
先日知ったのですが、平成30年3月6日に「建築基準法の一部を改正する法律案」が閣議決定閣議決定されたそうです。
目的は老朽化した木造建築物の建て替え促進で、空き家対策として耐火建築物などの規制を緩和して建て替えを促したいという趣旨の様です。

国土交通省のHPには概要が出ていて一部抜粋・要約すると

  • 建築物・市街地の安全性の確保
  • →防火地域・準防火地域において延焼防止性能を高めたら建蔽率10%緩和

  • 既存建築ストックの活用
  • →戸建住宅等(延べ面積200㎡未満かつ3階建て以下)を用途変更がしやすいように緩和
    ※集合住宅や老人福祉施設、旅館などにしやすくなると思われる

  • 木造建築物の整備の推進
  • 耐火構造等とすべき木造建築物の対象の見直し、耐火の規制の緩和

  • その他
  • → 老人ホーム等に係る容積率制限を緩和、仮設建築物の期間延長

といった具合で、概要や案文、理由なども書かれています。

簡単に言うと、防火地域等の木造密集地で現行法に即して建て直そうとした場合にハードルが高すぎて建て替えが進まない。
それならいっそのことハードルを少し低くしてでも今より安全な建物に建て替えてもらおうというという趣旨なんだと勝手に思っています。

防火地域で耐火建築物にしなくていい裏技

そこで、今関わっている物件にかかわってくるのがこの防火地域・準耐火地域の緩和基準。
一定の要件を満たせば耐火建築物としなくてよいというものです。
現行法でも逃げ道はあって、防火地域でも2階建ての100㎡未満とすれば耐火建築とせずに建てることが可能で、我が家もそういった基準をクリアするための裏技的に2軒に別けた二世帯住宅として建築しました。

ここでキーになるのは100㎡という面積の壁。
この約30坪というハードルは結構高くて面積をいかに無駄にせずに設計するかがとても重要になります。
外部の借景を取り込みつつ、多様な空間を構成する。
まさに建築家の腕の見せ所なのですが・・・

その100㎡にうまく納めたプランでほぼほぼ決まったところでこの話を知ってしまったのです。
とりあえず、国土交通省に確認を入れたところ、法律の制定までは閣議決定後少なくとも1年以上後との事。
正確な施行日も決まっていなければ、緩和の条件となる対策が何なのかも今まさに議論しているところだという。

耐火建築物にしなくていい緩和基準とは?

電話で伺った話では、耐火建築物にすべき要綱がどの条文でかかわっているかによって緩和基準が変わる予定だという。
緩和の要件としては、例えば自動火災警報器の様なもので在館者が火災に早く気づけて避難できるようにするなど決めているところだという話でした。
ですので、まだまだ耐火建築物としなくていい代わりにどんなことをすべきなのかが良く解らない状況。

そういった状況をきちんとお施主さんに説明。
もしかしたら家ができる頃に法律が施行され、苦労して100㎡に抑えた意味がなくなってしまうかもと正直に話しました。
とりあえず、1年も待っていられないのでこのまま進めてOKとの言葉をいただきほっとしています。
ほんんと、法律の改定はドキドキですよね。

防火地域で耐火建築物にしなくてよくなると

防火地域に新築する際はこの耐火建築物の基準がとても大きなものです。
この法律が制定されると住宅密集地の狭小地の資産価値がとても高くなると思います。

今までは、3階建てを建てると耐火建築物を要求されるが、2階建てだと面積が充分に確保できないような規模の土地の事です。
30~40㎡ぐらいの土地は今まで計画が難しかったですが、かなり現実的な住宅のプランニングが可能になるものと思います。

また、今まで違反建築物状態だった建物が堂々と旅館や民宿へと用途変更が可能になり、また民泊などへの届け出も新たに可能となる事が起きるのではないでしょうか?

もう不動産屋さんとかは土地の情報収集に走っている事だと思いますが、これから都内に新築を考えている方も、これらの超狭小地にも目を向けてみると良いかもしれません。
まだ、いい土地が残っているかも?

違反建築が適合建物に

先日報じたレオパレス21による界壁不正問題ですが、もしかしたらこの法律が制定されると緩和されて法律違反でなくなるかもしれません。
要綱を読んでいると
界壁に関する規制の合理化という項目があって、一定の基準を満たせば小屋裏または天井まで達さなくてもよい
という要綱が出てきます。
どんな基準かは解りませんが、これで補修を行わなくても法適合となるとミラクルですよね。
まぁそんなことはないと思いますが、もしそうだといろんなことを勘ぐってしまいますね(笑)

とにもかくも、今回の法改正は都心の住宅や建築物にはとても大きな改定になりそうです。
今後も法律や施行令の制定をきちんと見守っていく必要がありそうです。

勉強すべきことが沢山ありそうで大変そうです・・・

気になる方は是非ご自身で読み解いてみてください。

関連記事

  1. 民泊新法
  2. 住宅危険度
  3. 落書き大会
  4. 勇気ある現場
  5. 集合住宅イメージ
  6. 集合住宅イメージ

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

猫検索

Works

  1. 黒板塗装の壁
  2. 骨董いわた
  3. 寝室と一体の階段室
  4. 飛び出す招待状
  5. 書斎リビング
  6. 薪ストーブリビング

最近の記事

  1. キャットハウス二匹の猫
  2. 木漏れ日の家モルタル
  3. 従兄弟の結婚式
  4. 木漏れ日の家見えない防水
  5. 台風

Topic

  1. キャットツリーイメージ
  2. 庭を眺めている猫
  3. 猫の為の家造りスケッチ
  4. 猫ディスコ
  5. 猫ハウスクロス検討
PAGE TOP