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結露100%しない家は疑った方が良い
今日は東京でも48年ぶりに-4度と厳しい寒さになりました。
蓄熱暖房を採用している我が家でも、昨日今日は少し寒めです。
(エアコンなしでは生活できる程度)
でも、そんな我が家でも朝起きると寝室には少し結露が発生します。
建築家の家なのに結露するのか?
とツッコミを受けてしまいそうですが、結露を防ぐのってとても難しいんですね。
特に寝室は寝ている間にコップ1杯分/人くらいの発汗をするために湿度が上がり結露しやすいのです。
後で詳しく触れますが、
結露は家の性能だけでなく暮らし方によっても発生する為、容易に対策しづらいのです。
そして、そのような不確定要素が多い為、「100%結露はしません」と言い切れる方は逆に知識がない場合が多いように思います。
正しくは、「結露が起きにくいように充分対策しています」といった文言になるのではないでしょうか?
我が家の結露の要因
我が家の結露の原因は大きく分けて3つ
- サッシの性能が現在の基準だと少し劣る
- 蓄熱式床暖房だけで暖をとっているので窓周辺は少し冷え気味
- 室内干し等が多く、湿気が多い環境がある
です。
ひとつひとつ掘り下げてみると。。。
サッシの性能が現在の基準だと少し劣る
建築当時はまだまだ断熱性のの高い樹脂サッシやLow-Eガラスが高く、予算の関係で諦めてしまいました。
当時の断熱最高基準である次世代省エネ基準はもちろんクリアはしていたのですが・・・
また、防犯ガラスを採用している窓があり、一般的な複層ガラスより性能が劣る部分がありました。
※トステム資料より
防犯ガラスは図の様に一般的な複層ガラスに比べガラスが1枚分増える為中間の空気層が薄くなるため断熱性能が落ちるんですね。
一方、Low-E複層ガラスは特殊金属膜を挟むだけなので空気層の厚みはほとんど変わらず、断熱性能を向上させることができるんです。
この差額が・・・当時は出せなかったんですね~。
一応、トステムのシュミレーションでは複層ガラスでも外気温が-5度まで結露しない結果となっています。
あれ?東京は48年間-4度以下になっていないんじゃない?
と思うかもしれませんが、結露に重要なのは室内温度と湿度にも依存するんですね。
蓄熱式床暖房だけで暖をとっているので窓周辺は少し冷え気味
それが第二の要因。
我が家は基本エアコンなしで冬を過ごしています。
正月の里帰りから帰宅した1日だけは暖房運転しましたが、それ以外は蓄熱のみです。
その為、過度な暖房をしていないのでどうしても窓付近は寒くなりがち。
猫を飼い始めた為。昼間寝室を締め切っているのも要因です。
おそらくご存知だと思いますが、空気の中に蓄えられる水蒸気の量は温度によって変わります。
理科の授業で習ったようなグラフで簡単にはじく事が出来るのですが、飽和水蒸気圧と水蒸気量の計算をしてくれるサイトがあったので、今朝の窓の温度を入力してみると飽和水蒸気量7.42g/m3という結果が出ました。
我が家の寝室は勾配天井で体積を計るのが容易でないので、一般的な6畳の寝室だとすると
体積V=2.73×3.64×2.4≒23.85m3
なので23.85×7.42=171.72g以上の水分を空気が蓄えると結露するという計算になるのだと思います。
※間違っていたらすみません
3人で寝ていると約300ml=300gの水分が汗として放出されるのでその分だけでも結露してしまう計算となってしまいますね。。。。
実際は空気の動きや室内においても湿度の偏りなどがあると思われるので計算のようには必ずしもならないのですが、寝室や浴室などでは結露を防ぐというのはかなりハードルが高いという事がわかります。
ただし、上に載せたトステムのシュミレーションの様にきちんと室温を20度まで上げれば窓付近の温度も上昇し、結露を抑えられるというのも事実です。
室内干し等が多く、湿気が多い環境がある
そして、最大の要因がコレ。
室内干しです。
共働きなので洗濯の日が限られていて、乾ききらなかった洗濯物を一時的に寝室に取り込むことが多いのです。
家事によって発生する水蒸気も結露にとっては敵となります。
また、浴室の蒸気は一番悪さしますね。
結露対策建築編
結露対策を行うとすると一番に解決すべきは窓付近。
窓を樹脂製、Low-Eガラスとすると一段と結露が起きにくくなります。
また、新築後でも樹脂サッシを内側に取り付けるなどの二重サッシ化が最大の効果をあげます。
除湿機能のある換気扇やエアコンを取り付けるのも効果的ですが、乾燥しやすい冬とは相性の悪いものです。
特に寝室などはむしろ加湿したいですよね。
窓の下にヒーターを取り付けるという奥の手もあるのですが、コスト的に住宅ではほぼ採用されません。
では、湿度を保ったまま結露を防ごうと思うと
”寒い部屋をなくす”です。
家全体を引き戸にするなど締め切る部屋がないように計画し、寒い場所を造らないというのが効果的です。
そのためには断熱性能の高い家を目指して、きちっと暖気を閉じ込めて多く事が重要です。
結露対策生活編
しかし、ここで注意していただかなくてはいけないのが
室内の水蒸気が消えてなくなるわけではないという事。
窓周りなどを改善して結露を抑えてももしも家の中に寒い箇所があればそこで結露が発生する可能性が出てくるのです。
窓が結露しなくなったからといって加湿器をガンガンたくと、収納の中や、家具の裏、床下など思いもよらない箇所で結露やカビが発生する可能性が出てきます。
これは今まで窓付近で水になってくれていたものが行き場を失って他で水になる事で被害が拡大するのです。
ですので、加湿する場合は過度になりすぎない様に。
また、外気に近い箇所や押し入れの近くなどを避けて配置するのが良いと思います。
住宅の結露対策まとめ
結露が起きにくくなる対策は新築時に出来るものが多くあります。
それらを予算に応じて施すことはもちろん、
結露の仕組みをきちんと把握し、
湿気対策をどのように行うかを考える事こそ重要だと思っています。
窓の結露=悪では必ずしもなく、目に見えないところでの結露を防ぐ対策こそ重要で、
もちろん、窓の結露を抑える対策もないがしろにはできないと感じています。
湿気の発生しやすい、寝室や洗面所などのみ二重サッシにするという選択肢もあるのではないか?
と最近は考えています。
以上、結露についてでした。
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