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Last Up Date:10.8.18

家造りの損得~建設費(イニシャルコスト)やランニングコストの経済性とは?

これから家造りをする際、家の値段て不透明でなかなか解りづらい物です。
ハウスメーカーや工務店に本当の予算を伝えると、「その予算なりの高い買い物」になってしまうんではないかと危惧してしまい、低めの予算を伝える方も多いのではないでしょうか?

安い建物。
もちろん安いに越した事はありませんが、建物は間取りや仕様が違うと簡単には比較できない物です。
そこで、たびたび用いられるのが建設坪単価。
床面積辺りの建設費を示した物で、「我が社は40万円/坪で建てられますよ」といった具合で使われます。
しかし、この坪単価に用いる面積の測り方や、建設費に度の工事まで含むかは一定のルールがなく、各社工夫を凝らして安く見えるようにしているというのが実情です。

ハウスメーカーや工務店がよっぽどの利益を載せてない限り、どんな建物も掛けた建設費なりの建物が出来上がります。そのなかで、無駄な作業や経費をカットし少しでも安く作れるように努力しているというのが実情なのです。

つまり、安いには理由があるという事。
ここでは詳しく触れませんが、それが企業努力による場合もあるし、ちょっと手を抜いた工事だったり・・・要因は様々。
間取りは同じでも実は細かい気遣いによって家は違った性能を持つものです。
この項では、そんな家の値段やランニングコストについて本当に安い家の姿を探って見ましょう。

安いだけが目的にならない?~思い出になる家造り

家を安く建てることだけが目的になっていませんか?

今支払っている家賃で住める家を建てよう。
そう目標を立てる方が多いですが、なんとなく家造りの目的が明確でない場合が見受けられます。

例えば海外旅行に行く場合には、どこの国に行くか?
その国でどんな観光地に行きたいか?
ご飯はどんな物食べよう?
ホテルはどのランクのホテルに泊まろう?

といった目的が先にあり、その中でコストを比較しプランを練るかと思います。
なんか、家造りもそうあるべきだと思うんですよね。

格安旅行をチョイスしたら自由時間がほとんどなく、DFS(免税店)ばかりを見て帰って来たなんて事のないように、始めから家を造る目的を明確にして取り組む事。
その中でコストを見つめ取り組む事が重要だと思っています。

家造りの目的は人それぞれだと思いますが、その家で家族が生活し思い出を作っていくこと。
造り上げるのは家でなく、そこで繰り広げられる生活なのです。。。

企業努力によって安く建てる・工夫して安く建てる

建設費を安くする手法として、ハウスメーカーなどは同じ商品(キッチンや洗面化粧台)を大量に仕入れ販売する事で安くなるように努力しています。またシステム化して手間を省く事によりコストダウンを計っています。
※しかし、営業マンの経費や本社経費など、建物に直接かからない経費が含まれているため、この構図は単純でありません。

ローコスト住宅などは、下地と仕上げを一緒にして工程を省いて安くする場合や、合板などの規格サイズで歩留まり(無駄が出ない)を良くする事で安く建てることが出来ます。

また、簡単なところでは建具や収納などに既製品を使う事で安く仕入れ工期を短縮する事で安くします。
塗装工事など、他の工事に影響する工事を省いたり、係る職種を減らし安くする事も出来ます。
これらは、利用する物や間取り等に一定の制約がつきますが、正当なコストダウンと言って良いでしょう。

業者の都合で安くする・手抜き工事?~安いの裏側

手抜き工事と簡単にひとくくりは出来ませんが、業者の都合にに合せて工事することで安くしている場合があります。
例えば、本来は鉄筋を組んでいる時に同時平行して作業しなければきちんとした工事が出来ない所を、後から配管などをして、所定の性能を満たせないケース。
コレはよっぽど注意して監理しなければ見抜けないことなのですが、役所の検査やFLAT35の検査などでは見抜けない瑕疵となることがあります。

また、工事監督などが現場を複数掛け持ちをしてキチンと監理し切れてないケース。(現場監理経費を不当にカット?)
一度施工してしまったミスは取り返しがつかないことがあるので注意が必要です。

同じ図面でも違う性能

例えば、同じ性能・同じ厚みの断熱材を利用しても施工の方法によって全く違った性能を示します。
解りやすく話をすると、キチンと現場監理された家といい加減な監理の家を比べた場合、同じ建設費であればキチンと監理された家のほうが性能が高く安いという事になります。

また、耐震性に関しても同じことが言えます。
建築基準法の耐震強度も法律を満たしたと言う事だけに過ぎないという事。
同じ構造でも、釘の間隔や種類を厳しくチェックされたか等監理が重要です。
釘が打ちすぎで合板にめり込んだ場合は著しく強度が低下するなど、工事の仕方によって強度が変わることが様々な実験で実証されています。

さらに、壁量計算という簡易チェックの構造計算の場合は、複雑な形態の建物は強度がきちんと確保されない場合があります。力の流れ方などを正しく理解し、バランスを考えた構造計画が重要です

つまり図面上は同じ性能の家でも造り方で性能が異なるという事です。

長い目で見た損得

建設費が200万円高い家も10年20年と長く住む事が出来ればそれだけ安いという事になります。
つい最近までは30年ぐらい経てば家は傷み、建て直すというスクラップ&ビルドの文化が根付いていました。
しかし、老後に家を建て直すのは容易ではありません。
出来る事であれば少ない費用でメンテナンス可能な長寿命な家を手に入れたいところです。

それには初期投資が大きくなる。
この当初の建設費を高いと考えるか安いと考えるか?
大きな分かれ目となります。

家の寿命と建設費。
坪単価をさらに寿命で割った指標があればもっと家の価値がわかりやすいんですけどね・・・

メンテナンスの余りかからない家・エイジング効果のある家

家の躯体は長寿命でも、確実に水廻り設備は寿命を迎えます。
それらの設備を手間なく入れ替えられる仕組みや、高寿命の屋根材や外壁材の利用によってメンテナンスコストを抑えることが出来ます。
また、使えば使うほどボロボロになってしまう床材に比べ、月日が経つと味わいの増してくる建材を使う事で価値を増すことが出来ます。
やはり、これも初期投資は高くても長い期間で考えると安い家といえることが出来ます。

断熱性の高い家・省エネルギーな家

断熱性が高く省エネな家はやはり徳です。
1000円/月安ければ30年で36万円。
60年では72万円の徳です。
金額にするとたいしたことないと感じる方もいるかと思いますが、お金だけでなく快適性も高まるという事を忘れないで欲しいと思います。

オール電化住宅は損か徳か?

東京電力のデータによるとオール電化住宅の月額平均光熱費は12285円/月(2009年)となります。
契約体系によっても違いますが、ガスの基本使用料が0になるほか深夜電力が割安になるなどのメリットがあります。
一方、昼間の電気代が高くなるどコストを比較する事が容易ではありません。
先のデータから察するに私はオール電化住宅も非オール電化住宅もさほど光熱費に差がないと思っています。

そう思う要因は

  • オール電化住宅はマンションで多く採用(マンションの方が戸建に比べ外気に影響されない)
  • 単身世帯もデーターに含まれる
  • 一年を通じての平均値であるので、夏や冬の電気代は高い
  • 新築住居のデータが多く、ある一定の断熱性の家である
等、建替え前の皆様の家の光熱費に比べ安いからといって、必ずしもお得でないことがあります。
例えば、ガスの引いていない地域(プロパンガス)ではオール電化の方が徳でしょうし、床暖房を多く使う家ではガス式のほうが適しているかもしれませんし、IHヒーターを使うのであればオール電化にしたほうが良いでしょう。
また、老後の住まいは日中家に居ることが多いので深夜電力割引のメリットより日中の電気代の高いデメリットの方が大きく働くかもしれません。

公式なデーターもきちんとその背景を読み取って自分の生活に照らし合わせて検討してみてください。

太陽光発電の損得

太陽光発電は徳か?
補助金などの恩恵を最大限活かし設置する事で特になる場合があります。
※2010.08現在の助成金や工事費などを元に試算
しかし、周りに高い建物がなく太陽光パネルが一日中陰になることがない事。
また、設置面は南面で効率の良い30度ぐらいの傾斜で設定できる事が条件になります。
効率の悪い設置方法では充分な性能を発揮できないからです。

また、設置費用を住宅ローンで組む場合は、その約1.5倍の費用を銀行に支払う必要があります。
ですから、シュミレーションを鵜呑みにせず償却期間を長めに設定して検討してみてください。

太陽光パネルは年月共に効率が低下します。寿命も不明で一概に損得を図るのは難しいのです。
また、石油の価格や未来のエネルギーの発明などによっても大きく試算が変わります。

賃貸暮らしと新築戸建・マンション購入の損得

賃貸暮らしと一戸建て購入。
どちらがお徳か?
これも、試算する期間によって大きく変わります。
30年程度の単位で考えた際、賃貸暮らしのほうが徳の場合が多いと思いますが、住宅ローンを支払い後はやはり戸建住宅の方が分があると思います。
賃貸は管理費や、更新料が掛かりますが、戸建住宅は固定資産税や都市計画税などの費用が別途必要になります。
戸建住宅はメンテナンス費用が必要になりまし、万一震災などに見舞われた際は、資産がなくなってしまう場合もあるわけです。
賃貸であればライフスタイルの変化に応じて家の規模を選ぶことが出来るメリットがあります。

分譲マンションと新築戸建住宅の損得

分譲マンションと新築戸建はどちらがお徳か?
これも、試算する期間によって大きく変わります。
マンションは管理費や修繕積立金、固定資産税や都市計画税が掛かりますが、戸建住宅は管理費や修繕積立金は必要ありませんが、別途メンテナンス費用が必要になります。

マンションの方が売るときに資産価値が下がりにくい気がします。(もちろん物件による)
しかし、50年、60年後の管理体制や住民の年齢層など未知の部分が多くあります。

一方、戸建住宅の場合は自分の都合で全てを決められるメリットがあります。

マンションはワンフロアで完結している場合が多く、老後に適しているという考え方も出来ます。

家造りの損得まとめ

ここでは具体的な試算結果を載せていませんが、家族の人数やライフスタイルによって損得が変ってきます。
家の寿命をどうとらえるか?
シュミレーションの仕方によって結果が変るので、その前提をどう考えるか?
その手助けに少しでもなれば良いと思っています。

建設費という額面だけの高い安いだけでなく、性能や寿命、将来必要な費用等を加味し本当に安い家を捜し求めてみてください。

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